「悲しみに言葉を与えよ。語られぬ悲嘆は、心の器を密かに満たし、そしてその心を壊すように命じる。」 W.Shakespeare
悲しみを言葉にするというシンプルな行為が、本当に助けになるのでしょうか。
心理療法は、セラピストと患者の間に築かれる特別な関係性です。
心理療法は、独特の「場」と「雰囲気」を提供します。そこには、変化と成長に向かう動きがあります。そこには、あなたに関心を寄せる相手との「継続していくことを前提とした関係」という安心感があります。
心理療法は、「自分らしくいられること」と「愛すること」に関する対人関係上の悩みを探り、それについて考える機会を与えてくれます。
人が変わり、成長する過程は簡単なものではありません。
内省や自己理解だけでは何も解決せず、何も変わらないこともあります。そういう時は、他者との継続的な関係性を経験し、影響し合い、悩み、向き合っていくということも欠かせません。それは、子どもが、人生の最初期において養育者との関係の中で「存在する能力」と「愛する能力」を発達させてきたのと同様に、人生の後半において成長と発達を促すためにも、特別なかたちで関わり合うことのできる他者が必要です。
このような特別な関係性の中でこそ、自分の苦しみや痛みを言葉にするということが、何かの始まりになるかもしれません。人生の新しいスタートかもしれません。自分や他者、そして世界を新しく捉えることの始まりになるかもしれません。